履歴書は単なる自己紹介ではなく、自分を志望企業へ売り込むための「自己アピールツール」でもあります。
「この応募者にあってみたい」と思わせる履歴書にするには、各項目をより具体的に、自分の言葉で書くことが大切です。とは言うものの、現在、中途採用の書類選考では、履歴書から職務経歴書に重点が移っています。
これまでの「求職活動=履歴書」という堅苦しいイメージでとらえるのではなく、履歴書は、書く項目やフォーマットに沿って淡々と記入していけば良いでしょう。
履歴書は、事実を正確に書けば良い書類と考えましょう。今回は、転職の書類選考を通過するための、履歴書作成のコツを9つのポイントにまとめました。
ぜひ参考にして、転職を成功させましょう。

注意しておきたい履歴書の書き方9つのポイント
注意しておきたい履歴書の書き方のポイントは以下の通りです。
- より具体的に書くように努力する
- 短い文章で完結にまとめる
- 空欄はつくらないようにする
- 自分のことは、自分の言葉で売り込む
- 手書きが基本。筆記用具は黒のボールペンや万年筆を使うこと
- 略字や崩し字は使わずに、楷書で書くこと
- 誤字、脱字、記載漏れに注意すること
- 修正液(修正テープ)は使わないこと
- 内容が自慢にならないように注意すること
①より具体的に書くように努力する
履歴書を書くというのは、自分を全く知らない人に対して、書類上で自分を売り込むということです。採用担当者に、一度もあったことのない自分という人間を具体的に思い浮かべてもらうには、履歴書の記述も、より具体的に書く必要があります。
志望動機が「御社の将来性に惹かれたから」、趣味が「読書」では、個性のない人になってしまいます。具体的に書くには、抽象的な表現はできるだけ避けて、数や固有名詞、ジャンル、エピソードなどを盛り込むのがコツです。
②短い文章で完結にまとめる
文章は長くなると、要点がボケてしまって、何が言いたいのかわかりにくくなりがちです。文章は一文一文をできるだけ短くまとめるように努力しましょう。書きたいことが多い場合には、箇条書きにしてもよいでしょう。
③空欄はつくらないようにする
採用担当者に熱意を伝えるためにも、履歴書は各項目をできるだけびっしりと埋めたいものです。空欄は絶対につくらないようにしましょう。
どうしても埋まらない箇所が出てきたときには、もう一度自己分析をしてみることも大切です。
④自分のことは、自分の言葉で売り込む
採用担当者は、一度に何人もの履歴書に目を通します。どこかからそのままとってきたような言葉を使うと、採用担当者は「またか」とうんざりしてしまうでしょう。
どこかで見たような表現になってしまうのは、自己分析が不十分だということです。
⑤手書きが基本。筆記用具は黒のボールペンや万年筆を使うこと
履歴書を書く場合は、履歴書を2通用意して、下書きをすることをおすすめします。下書き用に、鉛筆やシャープペンシルを使って書いてみましょう。
読み返してみて、直すべきところを書き改めて、「これで完成」と納得のいくところまで修正します。それを本番の用紙に、黒のボールペンまたは万年筆を使って、丁寧に書き写していきます。
⑥略字や崩し字は使わずに、楷書で書くこと
時間をかけて丁寧に書けば、たとえ字が下手でも読み手は悪い印象はもちません。字は履歴書のスペースにあった適度な大きさの字で丁寧に書きましょう。
また、やたらに漢字を多用すると読みにくくなるため、注意が必要です。
⑦誤字、脱字、記載漏れに注意すること
丁寧に書き上げた履歴書を、最低でも2回は必ずじっくりと読み返し、誤字・脱字・記載漏れがないかしっかりとチェックすることが大事です。
⑧修正液(修正テープ)は使わないこと
書き間違いを修正液(修正テープ)で消すのはNGです。
採用側への誠意を見せるためにも、書き損じたら新しい用紙に最初から書き直しましょう。
⑨内容が自慢にならないように注意すること
応募書類に共通して言えることは、書かれている内容や文面が自慢になっていると、読む気がしないということです。
特に履歴書では、自分の基本情報を淡々と書き進んでいくことをおすすめします。
採用担当者が履歴書で知りたいのは「学歴」と「職歴」の欄
採用担当者が履歴書で気にするのは、あなたが「今どういうところにいて、何をしているのか」ということです。つまり、あなたの客観的事実であるバックグラウンドが一番知りたいポイントということになります。
ですから、採用担当者がまず注目するのは「学歴」と「職歴」の欄です。
「○○大学○○学部を卒業し、○○関係の仕事をしてきた」という学歴と職歴の関係性が重要視されます。それだけに、ここでの年号の間違いは致命的となります。
それに比べると、「趣味」や「特技」、また履歴書での志望動機などは、実は注目度が低くなります。しかし、他の項目を軽視してよいのかというと、そうではありません。書式にある項目が埋められ、誠意ある文面になっていることが前提条件です。写真も取り方がいいかげんなものだと、大きなマイナスとなります。
また、履歴書も一つのビジネス文書ということを心得ておき、最低限のルールを守って書くようにしましょう。年号の表記は西暦か、昭和・平成の和暦で統一する、職歴の最後には「以上」で書いて締めくくるなど、文書としての様式をととのえるようにします。

履歴書はJIS規格のものを使おう
昨今は、履歴書をインターネットでダウンロードすることができるようになりました。WEBから応募する際は、これに入力すればOKです。ただし、郵送の場合は、市販のものを使いましょう。
ダウンロードした書式を使うときでも、プリントして手書きをします。現在、市販の履歴書には転職者向け、自由記入スペースの広いもの、自己紹介書付きなど種類がさまざまありますが、基本的にはJIS規格のものを使うことをおすすめします。
形式であれこれ迷うのであれば、JIS規格と決めて履歴書を作成しましょう。履歴書はあくまで基本データなので、選んだ書式によって選考が大きく左右されることは、まずありません。
市販の用紙を使う以上、どうしても書くスペースが限られてきます。JIS規格は「学歴・職歴」の欄が広くとられているため、多少の工夫が必要となります。
例えば、30歳代で、過去に2、3回転職を経験した人ならちょうどいいスペースかもしれませんが、第二新卒などの場合には空白が目立ってしまいます。
その場合は、「○○大学入学」の下欄に卒業論文のテーマを書いたりしても良いでしょう。また、職歴には会社での業務内容のほかにマナー研修の内容などを簡単に添えてもOKでしょう。

履歴書の印象を左右する重要なポイントとは?
自分は「字が下手だ」と不安な人も多いものです。確かに字が上手な人はセールスポイントになりますが、下手でも心を込めて書けば、問題ありません。
小さすぎず、罫線を無視せず、一文字ずつ画数を数えるように書くのが履歴書作成のコツです。
字が下手だからといって、誰かに代筆を頼んだりするのは絶対に避けた方がよいでしょう。おおげさに言えば、これは虚偽ともとられかねない行為だからです。
綺麗な字が好印象を与えるのは事実ですが、現実の仕事で手書きする場面は極端に少なくなっています。

良い履歴書にするためのチェックポイント
- 「年」表記を和暦・西暦どちらかに統一している
- 氏名にふりがな(フリガナ)が振られている
- 略称・略記で書いていない
- 写真は見た目のよいものを使っている
- 学歴・職歴欄の最後に「以上」を入れている
- 免許・資格は業務に関連するものを優先している
- 志望動機や退職理由に前職の不平・不満が入っていない
- 文字が読みやすい大きさになっている
- 適切な敬語を使っている
- 1分前後で読める文字量になっている

さいごに
履歴書は、転職の成功を左右する大事な書類です。今回の記事を参考に、丁寧に履歴書を仕上げ、転職を成功させましょう。
とはいうものの、転職活動を、自分自身で全ておこなうことは、なかなか大変なことです。
特に、働きながら転職先を探す場合、時間がとれずに、履歴書や職務経歴書を丁寧に仕上げることが困難になってしまったり、志望先の会社についてのリサーチや、自分自身の希望の棚卸をする時間が取れません。
そんなときは、転職のプロである「転職エージェント」に相談することをおすすめします。