職場内の人間関係やコミュニケーションで上手くいかないと「自分はコミュ障なのかな……」とついつい悩みがち。
周りからコミュ障だと指摘され、落ち込んでいる人もいるのではないでしょうか。
コミュ障は人とのコミュニケーションでストレスを抱えやすい性格特性ですが、コミュ障だからこそ向いている仕事もたくさん存在します。
本記事では2タイプあるコミュ障の紹介から、コミュ障に向いている7つの仕事を中心にお伝えします。コミュ障が転職を成功させるポイントも説明しますので、ぜひ参考にしてください。
あなたはどっち? 2タイプあるコミュ障
コミュ障といえば、人とコミュニケーションが取りづらい特性、という印象が多いですが、実は2タイプのコミュ障が存在します。まずは自分がどちらのコミュ障に該当するのか、確認してみましょう。
ダウン系コミュ障(暗いコミュ障)
ダウン系コミュ障は、会話が苦手で根暗だと思われやすい特性です。「コミュ障」の文字どおり、自身のコミュニケーション能力に何らかの課題を抱えている人が多い、ダウン系コミュ障。
一般的に「コミュ障」といわれると、このダウン系コミュ障を連想する人が多いのではないでしょうか。具体的には以下のような特徴があります。
- 人との会話が苦手、何を話していいか分からない
- 人見知りが激しい
- 自己主張が苦手
- 騒がしい所が苦手
アッパー系コミュ障(明るいコミュ障)
一方アッパー系コミュ障は、明るく人と会話するのも苦でない人が多いため、一見するとコミュ障だと思われない可能性が高いです。具体的には以下のような特徴がアッパー系コミュ障の人には多いとされています。
- 自分の話が多い
- 自信過剰で積極的
- 自己中心的
- 周りの空気が読めない
上記のとおりアッパー系コミュ障の人は、自信家の人も多く、自分ではコミュニケーションに問題があると認識しにくいのが特徴です。
自身では気付かないものの、周りから疎まれることが多いのがアッパー系コミュ障であり、気がついたら孤立していたという人も少なくありません。
コミュ障におすすめする仕事7選
ダウン系・アッパー系コミュ障は特性に大きな違いがあるものの、周りの人間関係で問題や課題を抱えやすいという点が共通しています。
しかしその特性は環境を選べば、大きな武器になる可能性も。今回はどちらのタイプのコミュ障にもおすすめする仕事(職種)を紹介します。
各仕事に共通しているのは、以下のポイントです。
- 一人で黙々と作業しやすい
- 働き方に柔軟性がある
エンジニア
IT人材不足により注目を集めるエンジニア職ですが、コミュ障の人にもおすすめできる仕事です。一緒に働くチームメンバーとのコミュニケーションで問題を抱えやすいコミュ障の人にとって、一人で黙々と作業が行いやすいエンジニアは向いている仕事でしょう。
またエンジニアはフリーランスとして活動している人も多く、専門知識と技能があれば在宅など柔軟な働き方が実現しやすい仕事です。
特に昨今ではエンジニア不足が叫ばれており、IT・WEBエンジニアの需要はとても高くなっています。実際に経済産業省が出した「DXレポート(*)」によると、2025年には約43万人ものIT人材が不足するとの予測が出ています。
未経験でも仕事に就きやすいため、長期的に落ち着いて仕事を行いたいと考えているコミュ障の人には特におすすめできる仕事です。
(*)経済産業省|D X レポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~
製造業
工場などに勤務する製造業の仕事も、コミュ障の人におすすめできる仕事です。最初は不安があっても、製造業は細かい部分までマニュアル化されているため、極端に難しいあるいは変化が要求されるわけではありません。
また自分一人の裁量が決まっている製造業は、一人で黙々と仕事が行いやすいでしょう。
そのため急にお客さんと話をしなきゃいけない、といったコミュニケーションの手間がほとんどない仕事であり、特に人と関わるのが苦手なダウン系コミュ障の人には、製造業はおすすめできます。
清掃業
清掃業もコミュ障の人におすすめできる仕事です。
清掃業は会社に雇用されて働く場合の他にも、会社にスタッフとして登録し、会社や商業施設、個人宅などに派遣される形態もあります。
スタッフとして各拠点に派遣されるスタッフは、働き方に柔軟性があるものの、その都度現場担当者や取引先と多少コミュニケーションを行う必要があります。
そうしたコミュニケーションが苦に感じる場合は、常に同じ場所を掃除する、会社に雇用されて働く形態が向いているでしょう。
とはいえどちらの形態でも、基本的には一人で黙々と作業に没頭できるのが清掃業です。あまり周りとコミュニケーションを取らずに、一人で黙々と仕事をしたいと考えているコミュ障の人には、適性がある仕事だといえるでしょう。
警備業
商業施設や会社を巡回し、不審者等から人々を守る警備業。基本的には一人で行うことが多い警備業は、人と関わるのが苦手なコミュ障の人に向いている仕事です。
逆にいうと、一人で警備する孤独さに耐えられるかどうかがポイントとなってくる警備業。その点、コミュ障の人は孤独が好き、あるいは耐性を持っている人も多く、すんなりと警備業を始められる人も少なくありません。
雇用形態も正社員として雇用されるほかにも、派遣社員やアルバイトといった働き方もあり、柔軟な働き方が実現しやすい仕事だといえるでしょう。
また警備業は夜勤もある仕事のため、高めの日当が期待できるのも嬉しいポイントです。
トラック運転手
トラック運転手はある地点からある地点まで、荷物を運ぶ仕事のため、人と話す必要がなく、コミュ障の人にもおすすめの仕事です。
移動中も勤め先によっては、好きな音楽を聞けるなど、自由度が高い環境で過ごせるメリットがあります。
長時間同じ姿勢を維持しなければいけないことや、常に移動が必要であることから、家族や習い事などプライベートの時間を確保しにくいのがデメリットといえるでしょう。
事務
人と関わるのも嫌いではないけど、仕事は黙々と行いたいコミュ障の人におすすめしたいのが事務の仕事です。
事務は今回紹介した仕事の中では、周りのチームメンバーとコミュニケーションが必要な仕事に分類されます。しかし営業など対人折衝が要求される仕事ではないため、高度なコミュニケーション力は要求されることはありません。
最低限の報連相が行えれば、基本的には一人で黙々と作業ができるのが魅力的な仕事です。
ただし事務の仕事は人気であり、かつ一度勤めると比較的長く在籍する人も多いことから、競争率が高い仕事なのが難点でもあります。
研究職
何か特定の分野に強い、あるいは専門性を持ったコミュ障の人であれば、研究職もおすすめできます。
ノルマや数字に縛られることなく、専門的知見を十分に発揮し日夜追求できる仕事は、社会的影響力や、やりがいも大きいでしょう。
ただ難点としては、そもそも研究職の採用枠が少ない上に、一般的な仕事よりも学歴が求められる点です。最低でも修士号を有する必要があるでしょう。
コミュ障が転職を成功させる3つのポイント
コミュ障の人が転職を成功させるには、コミュ障が活躍できる仕事に焦点をしぼって求人を見ていくことがおすすめです。
探す仕事の幅を狭めていくには、前提として自己分析を行い、自分のアピールポイントを明確にする必要があります。その上で転職エージェントといったプロとともに、転職活動を行うことで成功確率を飛躍的に高められます。
自己分析を行い、自分のアピールポイントを明確にする
コミュ障の人が転職を成功させるには、まず自分がどのコミュ障タイプなのか、どんな性格・特性・得意を持っているのかといった、自己分析を行うのが大切です。
自己分析でポイントとなるのは、自分の弱みを把握すること。人はつい自分の弱みを隠しがちですが、弱みを把握することで自分の強みを認識できるのです。
自分の強みが認識できたら、自ずとアピールポイントが明確になるでしょう。
このように自分の弱みを把握することで、自己分析は一人でも行うことができます。
しかしなかなか一人だと難しいという人は、家族や友人・知人、会社の同僚・先輩、キャリアカウンセラーなどに自身の印象を聞いてみるのも良いでしょう。
コミュ障が活躍できる仕事に焦点を絞る
コミュ障の人は周りの人間関係でトラブルや悩みを抱えやすい傾向にありますが、裏を返すとそれだけ個性があるということです。
無理して自分に合わない場所で苦しい思いをするのであれば、あらかじめコミュ障が活躍できそうな仕事に焦点を絞るのも一つの方法です。
環境を変えれば、コミュ障の特性がかえって強みとなる場合もあります。
具体的な仕事は上記に記した通りですが、あくまで一般論であり、自分自身に必ず適用されるとは限りません。
自己分析と合わせて「自分はどんな職場だと強みを発揮しやすいのか」「どんな働き方がいいのか」といった、仕事を選ぶ軸も内省を深めていきましょう。
プロと一緒に転職活動を行う
コミュ障の人が転職活動を成功させるには、転職エージェントといったプロと一緒に行うのが重要です。
緊張のあまりアピールポイントを十分に伝えきれない、自信のなさが全面に出てしまう…
このように人とのコミュニケーションで苦手意識を抱きやすいコミュ障の人は、自分を売り込むことが大切な転職活動において、なにかと損をしがちです。
せっかくアピールできる部分を持っているのに、それを企業側に伝えられないのはもったいないですよね。
プロとともに転職活動を行うことでコミュニケーションにおける苦手を軽減させることができ、成功の可能性を飛躍的に高められます。