全国544か所に設置されるハローワークには求職者の多くがお世話になりますが、ブラック求人が多いことも事実です。
公的な職業支援サービスにもかかわらず、ブラック求人を紹介される可能性があり、ハローワークの利用をためらう方もいるでしょう。ブラック企業への転職を避けたい方はハローワークと併用して、転職エージェントの利用がおすすめです。
本記事ではハローワークにブラック求人が多い理由や見分け方について紹介しています。ブラック求人に応募しないためにも、ぜひ参考にしてください。
なぜハローワークの求人がブラックだらけなの?
ハローワークの求人がブラックだらけな理由は以下の3つです。
- ハローワークの求人は無料で出せるから
- 申請すればどんな企業でも掲載できるから
- 求人票の記載内容が真実かが分からない
それぞれについて解説していきましょう。
ハローワークの求人は無料で出せるから
ハローワークには無料で求人を掲載することができ、掲載から内定までに一切費用がかかりません。
大手転職サイトに掲載する場合には1か月で20~100万円ほどの費用が発生します。求人の掲載先にハローワークを選択することで、かなりのコストカットが可能です。
このため予算や資金力のない企業がハローワークに集まりやすくなっています。その中には従業員にあまりお金をかけたくない企業も多数あることでしょう。
もちろん優良企業の求人もありますが、無料であるからこそブラック求人が多いことを心に留めておくことが大切です。
申請すればどんな企業でも掲載できるから
ハローワークでは登録・申請さえ行えば、どんな企業であっても求人の掲載が可能です。
掲載する求人内容の審査も基本的にゆるく、募集要項や事業所の情報欄を埋めるだけで簡単に従業員を募集できます。つまりほかの転職サイトでは条件を満たせないようなブラック企業でも、問題なく求人を掲載してしまえるのです。
厚生労働省の働きにより、2020年3月末から労働基準法と最低賃金法に反した企業の求人を一定期間不受理とする制度がスタートしています。しかし網の目をくぐってハローワークに求人を出すブラック企業は後を絶たず、完全にブラック求人をなくすことは難しいでしょう。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000602108.pdf
求人票の記載内容が真実かが分からない
ハローワークではほとんど審査もなく、自由に求人を掲載できます。このため求人票に記載された条件が真実かどうかを確かめることは誰にもできません。
- 正社員の募集なのに実際の雇用条件はアルバイトだった
- 求人票に記載された給料は残業代が含まれたものだった
- 完全週休2日制のはずが実際は週6日で働いている
ハローワークの求人からブラック企業に応募してしまい、上記のような体験をした方も少なくはありません。
ブラック求人の多くは実際の給料や待遇よりも良い条件で求人を出しています。詐欺求人に応募しないように、求職者も求人を見分ける力を身につけておきましょう。


ハローワークでブラック企業を見分ける方法
ハローワークでブラック企業を見分ける方法には4つのコツがあります。
- 企業の口コミをネットで必ず確認する
- 休日の体系をチェックする
- 雰囲気が「気合系」
- 労働条件についての説明が曖昧
しっかり頭に入れて、ブラック企業への応募を避けましょう。
企業の口コミをネットで必ず確認する
良さそうな求人を見つけてもすぐに応募せず、まずは企業の口コミをネットで確認しましょう。
実際に働いていた方の口コミを見ることで、企業の内側を覗くことができます。職場の雰囲気や待遇についても面接で話を聞く前に、ある程度は把握しておくことが大切です。
口コミサイトには誰でも書き込めるので、すべての情報を鵜呑みにしてはいけませんが、リアルな情報を得られます。
休日の体系をチェックする
応募先を選ぶときは休日の体系を確認することも大切です。土日祝の休みや完全週休2日制だけにこだわるのではなく、年間休日数に注目してください。
カレンダーに従って休日を取ると年間休日数は120日になります。年間休日数が120日以上の企業はブラックの可能性が低く、ひとつの判斷基準にしておくと良いでしょう。
また週休2日制と完全週休2日制も紛らわしいので注意が必要です。
雰囲気が「気合系」
求人票のアピール欄が精神論や気合系の企業にも要注意です。
- アットホームな職場です
- やる気がある人なら誰でも歓迎
- 常に笑顔でお客さまに全力で対応
上記のような文章を掲載している企業は、ブラックな可能性が高い傾向にあります。
アットホームと言っても職場の人間関係や雰囲気が良いとは限りません。また「やる気」「全力」などのワードも、通年で求人を出している企業に多いです。
労働条件についての説明が曖昧
ハローワークに求人を出すブラック企業は労働条件についての明記を避けています。労働時間の長さや社会保険の有無を記載してしまうと、応募がなくなるからです。
雇用形態や試用期間、社会保険の有無について記載されていない企業への応募はおすすめできません。
給与に幅がある場合も、みなし残業手当が含まれている可能性があるため要注意です。もしこのような求人に応募するなら、不透明な部分は面接の際に明らかにしておきましょう。
転職エージェントを使えばホワイト企業に転職できる
ハローワークでの求人探しにこだわらず、転職エージェントを利用すると転職成功の確立が上がります。
転職エージェントは求人を掲載するための審査がハローワークよりも厳しく、求人の掲載にも高額な費用が発生します。ブラック企業が気軽に求人を出せない環境のため、ホワイト企業を紹介してもらえる可能性が高いです。
またハローワークとは異なり、専門のアドバイザーが相談や面接対策などで転職をサポートしてくれます。転職先の紹介から面接日の決定までの仲介があり、仕事をしながら転職を目指す方にもおすすめです。

ハローワークの求人はブラックばかりのまとめ
ブラックな求人が多いハローワークでも、ホワイト企業への転職を目指せます。しかしホワイト企業を見つけるにはブラック企業を見分ける力が必要であり、仕事をしながら転職先を探す方には効率的ではありません。
ホワイト企業への転職を目指すのであれば、転職エージェントの利用がおすすめです。ハローワークでブラックな求人に応募してしまう前に、転職エージェントのアドバイザーに相談してみましょう。