大学職員といえば「安定・高収入が期待できる楽な仕事」というイメージを持つ人も多く、転職・就職先で目指す人も少なくありません。
魅力的に映る大学職員ですが、元・大学職員の中には「大学職員なんてやめとけ」と口にする人も多くいます。
実際に以下のツイートのように、大学職員はシビアできつい仕事だと語る口コミもありました。
大学職員になって後悔しないためにも、大学職員の現実を知っておくべきです。
現場は、かなりシビアで、結構キツいし、ひどいです。
— daigakuofficer (@daigakuofficer) October 31, 2020
そこで本記事では大学職員に向いている人を中心に、大学職員に転職するメリット・デメリットなどを解説します。
大学職員はやめとけ! 3つの離職理由
安定・高収入と、良いイメージが強い大学職員は、公務員と似ていることからも、辞める人は少なく「辞めたらもったいない」といわれる仕事です。
しかし、そんな大学職員でも、辞める人も一定数おり、似たような理由で離職しています。
今回は大学職員の離職理由で主要な3つの理由を紹介します。
人間関係が最悪で辛い
大学職員を辞める理由として、まずあげられるのが「人間関係の悪さ」です。
人間関係が起因したトラブルは、どの業界・職種でも発生し、離職理由の上位にあげられます。
しかし、大学職員が他の職場と異なるのは、”大学”という狭い環境であることです。
大学職員は上司や同僚・部下といった職員だけでなく、教授や生徒、保護者や会社など、さまざまな人と関係性を保つ必要があります。
大学にはただでさえ、その大学でしか通用しない、独自の規則やしがらみなどが多い傾向にあります。
その上、さまざまなセクターの人と良好な関係を保たなければならないため、人間関係で気を遣う機会も多く、非常に大変です。
大学によってももちろん差はあるでしょうが、以下の口コミのように、人間関係の悪さは噂にもなるほどの大学もあるようです。
ちなみに給料良い、転勤ない、残業も大してないっていうスケベな理由だけで、母校の大学職員も考えたけど、職場の人間関係最悪って聞いてやめた。事務職員の態度も悪かったから妙に納得した。
— shigirl16 (@shigirl16) November 18, 2015
精神的・肉体的にしんどい
大学職員は世間のイメージとは裏腹に、実際はハードワークな職場であることもしばしばあります。
そのため「精神的・肉体的にしんどい」というのも、主要な離職理由の一つです。
以下のツイートからも大学職員といえど、決して楽な仕事ではないことがうかがえます。
AERAの記事に、大学職員は「高収入、安定性、休みが取りやすい、定時に帰れる」という点が魅力だと載っていたらしいけれど、はっきり言って、しんどいです。。。家庭と仕事のバランスとれなくて、夫婦喧嘩になること度々。。。
— ばじる (@basil_milk) September 15, 2010
僕転職活動時に実は国立大学の大学職員になろうと思ってたことがあって、筆記試験奇跡的に合格し、一次面接も突破したけど、二次面接で落ちたんだよね。SEよりは緩そうじゃん、大学職員。
でも、後からとある私立の大学職員になった先輩の話聞いたら、職員は職員で結構精神的にしんどいようだった。
— たまねお (@neotamaneo1) June 17, 2019
とくに、オープンキャンパスや入試説明会などのイベントの期間は非常に忙しく、連勤する職員も少なくありません。
スキルが身につかず市場価値を高められない
大学職員は職場構造や業務の性質から、汎用的なスキルというよりは、狭い大学内でしか使わないスキルの取得がどうしても他の職業よりは多くなります。
したがって特に若手で大学職員を辞める人は「スキルが身につかず市場価値を高められない」ことを離職理由にあげる人が多いのが特徴です。
このように大学職員は市場価値が高められにくいことから、別名「キャリアの墓場」とも呼ばれています。
転職して大学職員になるメリット
「大学職員はやめとけ」といわれる一方、大学職員に転職して良かったと感じる人もいます。
でも、その結果として大学職員を選んだことは全く後悔していないし、むしろ良かったと思っています。ほんとに。当時想像していたより何倍も楽しいです、この仕事。
— Satoko (@satoko_212) May 13, 2010
では、転職して大学職員になる人には、どのような点がメリットとなりえるのでしょうか。
安定・高年収が期待できる
大学職員の最大の魅力といえるのが、何といってもその安定性と高年収です。
大学職員は国公立・私立問わず、公務員と類似した特徴を持つため、他の業界と比較すると景気の変動を受けにくく、いきなり倒産するなんて心配は不要です。
また、厳しいノルマ等が課せられることもほとんどなく、勤続年数を積み重ねることで着実に年収アップが期待できます。
東洋経済の調査(*)よると、国公立に勤務する大学職員の平均年収は733万円とされ、私立大学もおおよそ同程度だと考えられます。
客商売でなく精神的な負担が少ない
大学職員の直接的なお客様といえば、生徒や保護者が考えられます。
大学も客商売を行う必要はあるものの、大学とはそもそも高等教育機関であり、研究開発を行うなど、社会から要請されている役割が通常の営利企業とは異なっています。
したがって、大学職員は販売職や営業職といった、通常の客商売ではありません。
客商売というとどうしても、売上を上げるためにノルマや営業がつきものです。
おまけに顧客から無理難題を突きつけられても、出来るだけ受け入れる「顧客至上主義」がまかり通っている企業もあります。
学生の教育に携われるやりがいがある
大学は高等教育機関であることからも、生徒の教育に携われるやりがいを感じられるのが大学職員の醍醐味といえます。
実際に異業種から大学職員に転職した人の中には、学生のサポートができることに、何よりもやりがいを感じていると答える人もいました。
大学職員に転職して良かったなあ、としみじみ思います。勿論労働時間と賃金のコスパが良いのも有り難いのですが、何より学生がかわいい。色んな子がいるけれど皆自分なりに悩み行動していて、そんな彼らをサポートできることにやり甲斐を感じます。
— a.k.a. 大学職員 (@wodeaihaoshish1) June 21, 2021
他の職種でも安定や高年収といった、良い労働条件は得られるかもしれません。
しかし、やはり長く仕事を行う上で「仕事でどれくらいやりがいを感じられるか」は大きな要素だといえるでしょう。
転職して大学職員になるデメリット
大学職員に転職する上で得られるメリットはたくさんあるものの、事前にデメリットを把握しておくことは重要です。
今回は転職して大学職員になる際に、考えられるデメリットを3点紹介します。
スキル習得しにくく将来性が薄い
大学職員は「キャリアの墓場」という別名があるように、スキルが習得しにくい仕事です。
キャリア志向が高く、より条件の良い職場にステップアップを行いたい人や、将来独立や起業を考えている人には、大学職員という仕事自体が、自身のキャリアを育む上であだになるかもしれません。
新奇性より昔ながらの流れが重要視されやすい
大学職員は公務員的な気質であり、古い体質がいまだに残っている大学も少なくありません。
大学のような保守的な環境では、新しいことを始めるより、昔からの流れをそのまま踏襲することを重要視される傾向が強いといえます。
同じ仕事の繰り返しで刺激が少ない
大学という組織自体、保守的な傾向が強いことから、業務も毎年同じような仕事の繰り返しであることがほとんどです。
また、業務自体も部署によっては事務作業など単調な仕事が多い場合もあり、新しい発見や刺激は少なめです。
大学職員への転職が向いている人
大学職員の魅力は安定性と高年収ですが、この2つの条件だけで大学職員になっても「こんなはずではなかった……」と後悔する可能性が高くなります。
大学職員は大学という特殊な環境であることからも、向き不向きが分かれる仕事です。
これまでの説明を踏まえ、大学職員への転職に向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 安定した環境でコツコツと業務をこなしたい人
- 単調な業務をこなすのが苦ではない人
- 人の成長や教育に携わる、公共性の高い仕事に就きたい人
上記3点に、あなたはいくつ該当するでしょうか?
どれか一つでも当てはまった場合、大学職員に向いている素質があると判断できるため、大学職員への転職を視野に入れると良いでしょう。
とはいえ大学職員に固執すると、かえって悪い結果にもなりかねません。
転職を成功させるには、経験豊富なプロとともに、一つずつ着実に転職活動を行うことです。
転職エージェントに登録すれば、大学職員以外でも、あなたに合った仕事の提案をエージェントから受けられるかもしれません。